江戸末期から明治初期にかけて日本を訪れた外国人の目から見た庶民の暮らしは、私たちが思い描く以上に豊かなものであったようです。モースは、「世界中で日本ほど、子どもが親切に扱われる国はない。」と言います。当時の東京は、障害を抱えた人々にとってもやさしい街であったようです。これからの教育を考える上でも、貴重な示唆を与えてくれる1冊です。
1854年アメリカのピアス大統領はインディアンたちの土地を買収し、居留地を与えると申し出た。翌年インディアンの首長シアトルはこの条約に署名。この絵本は首長が大統領に宛てた手紙をもとにしています。首長は、「どうしたら空が買えるというのだろう?そして大地を。……わたしにはわからない」と言います。強欲資本主義の対極にある、一般にインディアンといわれる人々の価値観に、目を覚まされるような思いがします。子ども達に、そしてともすれば本来の自分を見失いがちな大人にも、ぜひ読んでほしい一冊です。